K君という友人がいた。
小学校前半の時だ。
彼はクラスで人気がある男子のひとりだった。
ひとりはドッジボールの強い子。ひとりは面白い子。そしてK君は、「いろんなことに詳しい子」だった。
K君は料理をした。
うどんに牛乳を入れると、まろやかになると言っていた。
K君は運動が得意じゃなかった。
ドッジボールで、集中力を高めるツボを教えてくれた。
手の小指の付け根あたりをぐりぐりしながら、ボールをよけた。
K君は星が好きだった。
いろんな星座を知っていた。
ある時、小さな川に、小さな橋が架かっている場所へ行った。
空は晴れて、川はきらきら光っていた。
橋の下は、子供なら入れる、大人には入れないくらいのスペースがあった。
そこに入って、橋を見上げた。
「プラネタリウムなんだ」と、K君は言った。
光が水面を跳ねかえって、橋の裏側でゆらゆら揺れていた。
星の季節になると、決まって思い出す。
そして、小指の付け根をぐりぐりしながら、夜空を見上げたりしている。
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