「昔、お兄ちゃんとケンカしたとき」
三ツ矢サイダーのCMで、上戸彩さんが言う。
仲直りに、兄が「ん」とサイダーを差し出してくれたのだと。
「昔、お兄ちゃんとケンカしたとき」
私も兄と、しょっちゅうケンカをしていた。
ケンカの原因は、よく思い出せない。
今思えば些細なことだったとも思うし、その時の自分からしたら重大なことだったとも思う。
とにかく毎回毎回、もうれつに怒っていた。
兄妹のケンカではよくあることに、たいてい最後には兄が謝ることになった。
兄は渋々といった様子で謝るのだが、それで終わりにすればいいものを私は、
「心がこもってない!」
と言って怒った。(また怒ってる)
そんなことを言ったところで心のこもった謝罪の言葉が返ってくるとも(今思えば)思えないが、とにかくそう言って怒った。
「昔、お兄ちゃんとケンカしたとき」で思い出すのは、だから私はこの「心がこもってない」だ。
「心がこもってない」の中の「心をこめる」という動詞が、ケンカの最中に使われるのは何だかそぐわない感じがして、言っているほうも何だか変な気分がした。
その後、心のこもった言葉を聞けたかどうかは覚えていない。
ただ、「心がこもってない」と言って怒っていたことだけ、覚えているのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿